乱華~羽をくれた君~【完】
「…でも翔真、お前ホントは奈緒に気があんじゃねーの?」
ドキッとした。
「それはねーよ」
うん、そうに決まってる。
「ホントかよ?……一応言っとくけどこいつはオレのだし、絶対手放す気はない。だからいくらお前でもこいつだけは譲れねーし。手出さないでほしーと思ってる」
「陸さん……」
胸がぎゅーっと締め付けられた。
「クッ…。そういう気はないって言ってんだろ?オレは巨乳が好きなの!」
翔真さんは笑って立ち上がった。
「さぁって、オレはそろそろ帰っかなぁ…」
「あ?こんな夜中にかよ」
「なぁんかさぁ、ここの部屋だけ妙に暑すぎね?こんなとこいれねーっつーの。女んとこにでも行ってみるわぁ」
翔真さんは乱暴にスマホをポケットに突っ込むと、上着を羽織った。
「じゃ、お幸せにっ」
そう言ってリビングから出て行った。