乱華~羽をくれた君~【完】
「なんか…うちら翔真さんのペースに振り回されっぱなしだよね」
「…だな」
陸さんはフッと笑った。
「…でも、あいつ…ちょっとはお前に気があったと思う」
「え!?なんでよ!あたしからかわれてただけだよ?」
「いや、なんとなくわかんだよ、男のカンってやつ?」
「なにそれ」
あたしが笑うと、陸さんはあたしの頬を両手で挟んだ。
目の前には綺麗な瞳が揺れている。
「奈緒さ、不安になってたわけ?」
「あ……うん、聞いてたんだよね」
「オレ、別に女らしいとか、可愛いやつとかが好きなわけじゃねーし。そこ勘違いすんなよ」
「うん……あたしすぐ嫉妬しちゃって…沙織さん可愛いし、陸さんもこの前沙織さんと楽しそうにしゃべってたから…」
「この前?」
「エスペランサと走った日…」