乱華~羽をくれた君~【完】
「あー、あん時…」
「うん、バカだよね、ちょっと女の子としゃべってたからって…」
「あれなぁ、お前の事話してたんだよ」
「え!?あたしの事!?」
「沙織がお前の事、可愛くて優しい子だって言ってたから」
沙織さんがそんな事言ってくれてたなんて…
「だからなんかちょっと嬉しかったんだよ。…つーかオレそんなに笑ってた?」
「うん、すっごい楽しそうに」
「マジかよ、オレきもっ…」
そう言って口を押えながら照れている。
「あたしのこと話してくれてたなんて…」
「お前の話するときさ、顔緩むって前に亮にも言われてたんだよな…」
「そうなの?」
「あー、気を付けねーとやべーわ」
陸さんはそう言うけれど、あたしはすっごい嬉しくて。
すっごい愛しくなって。
自ら陸さんの事をぎゅっと抱きしめていた。