乱華~羽をくれた君~【完】
「陸さん…本当に会わなくていいの?」
「…わかんねぇんだ」
「え?」
「会いたい気持ちもあるけど、会うのがこえー」
「…そんな」
「あの人俺に会って、また昔の事思い出させて、嫌な思いするかもしんねーじゃん」
自分は会いたいはずなのに、陸さんはお母さんの事心配してるんだ…
「ちょっと考えてみるわ」
陸さんはそれだけ言うと、ソファーに横になったまま眠ってしまった。
親に甘えることを知らない彼。
あたしがしてあげられる事はもう一度母親に会わせることだと思った。
今をのがしたら一生会えないかもしれないんだもん。
陸さんのお母さんだってきっと・・・会いたいはず。