乱華~羽をくれた君~【完】
数日後、陸さんの誕生日。
あたしは朝から大忙しだった。
陸さんを仕事に見送ってから掃除をしてケーキを作って…
そして2回ほど練習した豚の角煮に取り掛かる。
絶対美味しいって言ってもらいたい。
夕方、いつもより早めに帰ってきた陸さんは、テーブルに並んだ料理を見て目を丸くさせた。
「なんだよコレ、全部お前が作ったのか?」
「うん!」
豚の角煮の他にもカルパッチョとかサラダとか色々作ってみた。
陸さんの驚いてる顔を見ると嬉しくなる。
「ウマッ!!」
トロトロの角煮を食べて陸さんが微笑んだ。
「本当に!?美味しい!?」
「おう、マジでうまい。お前って意外と女の子らしいんだな」
「意外とって…!」
すっごい嬉しい。
陸さんは作ったものを残さず全部食べてくれた。