乱華~羽をくれた君~【完】
「あと…プレゼントもあるんだ」
「マジかよ」
陸さんはあたしから袋を受け取ると中を覗いた。
「マフラーなの。気に入ってくれるかな…」
黒とグレーのマフラー、絶対似合うと思ったんだけど。
「すげーな、いつの間にこんなに色々準備してたんだよ」
そう言って首にマフラーを巻いてくれた。
やっぱり似合う!
「良かったーすごい似合ってるよ!」
「奈緒」
そう呼ばれた瞬間、抱き寄せられる。
「マジ嬉しい。…どーもな。最高の誕生日になった」
陸さんの体が温かくて…
あたしの方がジーンとしてしまった。
抱きしめる力を弱め、今度はあたしの顔を見つめる陸さん。
ドキドキしていると、「俺、決めたわ」とつぶやいた。