乱華~羽をくれた君~【完】
「・・・ぶはッ!」
一人で色々考えていると急に陸さんが吹き出した。
「・・・そんないきなり手に力入れんなよ、肩かなり痛かったんだけど」
そう言って大笑いしている。
「え・・・?え!?」
あたし、いつの間にか力んでた!?
動揺していると、陸さんはあたしの手を握った。
ええ!!
りりりくさんがあたしの手を・・・
「おい、なんで肩に手置くんだよ、肩もみじゃねんだから…それじゃ振り落とされんぞ」
そう言って、あたしの両手を陸さんのお腹に回した。
わわわわわわ・・・
頭の中は大パニック。
そして黒いヘルメットをあたしに渡した。
「それかぶれよ。
・・・亮さ、腹減ると機嫌悪くなるからそろそろ行くぞ」
「は、はいっ」
「腹ちゃんとつかんでろよ」
その言葉を合図に、一気にコンビニの駐車場を駆け抜けた。
やばい・・・
鼓動がまだおさまらないのに、こんなに近いんじゃバレる・・
・・・陸さん、やっぱり優しいんじゃん。
あたしはぎゅっと陸さんの背中に抱きつき、至福に浸った。