乱華~羽をくれた君~【完】
「危ねーから絶対手ぇ離すなよ?」
「はいッ」
この背中、絶対離すわけないし!
陸さんを掴んでいる手に、更に力を込める。
単車はものすごい音を立てて国道へ出た。
体がくっついている。
こうやって陸さんの体温を感じれるなんて…
ドキドキして、その部分が熱くなってくる。
信じられないけど夢じゃないよね・・・?
陸さんの綺麗な後ろ髪が、頭に巻いているタオルからはみ出ている。
光に反射して綺麗で。
見とれていると、あっという間にファミレスに着いてしまった。
ファミレスの中に入ると、亮輔さんと栞が席から手を振っているのが見えた。
「もー遅かったねぇ!!」
「ごめーん」
慌てて席に座ると栞が、あたしの耳元でささやいた。
「・・・陸さんとどーだったのぉ!?かっこよかったでしょ~?」
「・・・うんうん!マジでやばかったよーっ」
こそこそと二人で話しているのに気づいた亮輔さん。
「陸ぅ、奈緒ちゃんになんかやましいことしてたんだべ?」
「はぁ?バーカ、誰がこんなガキに」
ガっ・・・ガキ!?
・・・ガキってひどくない!?
ホントに初日に会った陸さんと同一人物!?
・・・なんか別人みたいに意地悪だ・・・