乱華~羽をくれた君~【完】
唖然としていると陸さんはこちらをチラ見し、笑いながら亮輔さんの隣に座った。
なんか・・・からかわれてる!?
でもその意地悪な微笑みが余計にあたしの心をくすぐった。
目の前にいる陸さんは特攻服を着ていない。
なんだか身近な人間に感じて嬉しくなる。
あたし達は注文したご飯を食べながら、笑いの絶えない話を沢山した。
亮輔さんの学校のこと。この前まで陸さんと亮輔さんが喧嘩していたこと。
いつもは挨拶程度の会話しかできなかったのに、今日は色んな話をしている。
目を見てしゃべっている。
半分信じられないけど、ドキドキしっぱなし。
どんなに意地悪な事言われても、やっぱり好きなのかも。
あたしは陸さんの色んな表情を忘れないよう、脳裏に焼き付けた。
その時、入口から聞き覚えのある声がした。
「あっ理香子じゃん!!」
栞のその一言で、あたしのテンションは急降下した。