乱華~羽をくれた君~【完】
「そういえば奈緒、陸さんといい感じじゃん?
さっきファミレスに入ってきたとき、二人付き合ってるみたいだったよぉ」
栞がにやけてあたしの顔を見る。
「え!ありえないよ!いい感じでもないし!陸さん、なんかいじわるだし・・・」
「陸さんがいじわる?陸さんて女の子には優しいはずだよー?・・・きっと奈緒は特別なのかもね」
「・・・そんなことないよ」
2人っきりになった時嫌そうな表情していたから、あたしに好意をもっているとは思えない。
でも陸さんはいじわるな顔の裏側に、ちゃんと優しさがある。
実際、あたしをバイクに乗せてくれた時もちゃんとヘルメット貸してくれたし、乗り方も教えてくれた。
「でも本当に2人はお似合いだと思う!
だからうまくいってくれたらあたしも嬉しいんだけどなっ」
「うん・・・ありがと・・・」
そんな事は絶対ありえないけど。
栞、本当にありがとう。
栞と一緒にいる間は嫌なことも忘れられてた。
だから今日栞が話してくれた時、本当に嬉しかった。
辛い時はあたしが支えてあげたいって本気で思ってるんだよ?
亮輔さんていう素敵な人に出会えて本当に良かったね。
あたしもそんな素敵な人と巡り合えるのかな・・・?
それが陸さんだったら・・・なんてあたしは妄想を膨らませていた。