乱華~羽をくれた君~【完】
遠くを見ると、亮輔さんは、陸さんや理香子たちとワイワイ花火をしている。
陸さんは、やっぱりちょっとやる気がなさそうだけど。
「栞っほら、亮輔さんと遊んできなよッ」
「え、でも・・・」
「大丈夫!!あたしは適当にここで休んでるから」
「う、うん・・・ありがと奈緒・・」
そう言って栞はお尻についた砂をほろうと、亮輔さんのもとに走っていった。
いいなぁ・・
あたしもそういう夢中になれる恋愛がしてみたい・・
陸さんのこと・・・好きだけど可能性ゼロだしなぁ。
ボーっと栞たちの様子を見ていると、後ろから突然声を掛けられた。
「ねぇ、一人なの?」
「え?」
振り返るとそこには、理香子と一緒にいた男友達がしゃがんでいた。
2人とも茶髪で軽い感じ。
口や舌にピアスが沢山付いている。
「一緒に遊ばない?花火も持ってきたしさ、あっちでやろうよ」
「い・・いいです・・」
あたしはそっけない返事をした。