乱華~羽をくれた君~【完】
「ねぇ。なにやってんの?」
・・・この声!!
・・・・陸・・さん?!
男達はすぐさまあたしの手を離した。
「桐谷さん!!あ、いやー・・ちょっとこのコと遊びたいなと思って・・」
バツが悪そうに、しどろもどろになっている。
陸さんはチラっとあたしを見て笑った。
なんでこんな時に笑ってんの・・・!?
「ふーん・・・じゃぁさ、オレにゆずってくんない?」
「は!?桐谷さんに!?」
二人は顔を見合わせた。
「ああー別にいいだろこんな女。おめーら他あたれよ」
こ、こんな女って・・・
確かにこんな女ですけど。
そんな事ハッキリ言わなくたって・・・
惨めだよ…
「・・・・・・・・・ぉい、聞いてねぇぞこんな展開」
「……ぁぁ、どうするよ・・・」
二人の男はこそこそ話し始めた。
「おい・・・聞こえてんのかよ!?」
陸さんのその一喝で、一斉に周りのみんながこっちを見た。
「す・・・・すいませんでした!!!どーぞどーぞ差し上げます!!!」
二人はそそくさと、理香子達のほうへ走っていく。
その場がしーんと静まり返った。