乱華~羽をくれた君~【完】
「・・・・!?」
な、なに言ってんの!?
何が起こってんのか、理解不能。
あたしはポカンと陸さんの顔を見つめてしまっていたようだ。
「あははっ・・・なんだよそのアホづらっ」
陸さんは笑い転げていた。
「じょ、冗談ですよね・・・?」
ピタッと笑うのをやめて起き上った陸さん。
「冗談じゃねーよ?・・・でもさ、ひとつだけ言っておきたいことあんだよね」
今までのおちゃらけた雰囲気とは違う、真剣なまなざしにドキっとしてしまった。
「オレは誰にも本気にならない」
「・・・え?」
「いや、なれねーんだ。それでもいい?」
本気になれない・・・?ってどういうこと・・・?
「それってどういう・・・」
「まぁ、深い事は突っ込まないでさぁ、今が楽しけりゃいいんじゃね?」
陸さんはあたしの言葉を遮って言った。
そして立ち上がり、にこりと微笑む。
「そんな付き合い方でもいーならっ」
あたしの目の前に出された大きな手。
この手を・・・払いのける理由なんてなかった。
本気になってくれなくてもいい・・・
陸さんのそばにいれるなら・・・