乱華~羽をくれた君~【完】
ななな、なに言ってんの!?
陸さんさっきから驚かせることばっか‥‥
「奈緒よかったじゃぁんッ!!陸さんに甘えちゃいなよッ!あ~いいなぁ♪」
「なんだよ栞〜俺がいんじゃんッ」
亮輔さんが拗ねるそぶりを見せた。
あたしが硬直してるのにもかかわらず、2人で盛り上がっている。
「つーか陸は手ぇ早いから気をつけてねぇ!?
んじゃ奈緒ちゃんの事は陸にまかせて‥俺らは退散するぞ、栞」
「は!?てめーと一緒にすんなよ。ふざけんなっ」
陸さんが亮輔さんの顔にふざけて軽くパンチした。
「あはは!
じゃあ奈緒、なんかあったら連絡してねっ
お・や・す・み〜!!陸さんもおやすみなさいッ」
「え、あ、うんッおやすみー!!」
どぎまぎして、栞にそう返事するのが精一杯。
2人が乗ったバイクを見えなくなるまで見送ると、自然と大きなため息が出た。
決してこの状況が嫌だからじゃない。
どうしていいのかわかんなくて。
‥‥ただただ緊張ばかりが増して‥
本当に・・
本当に陸さんちに・・・??
こ、心の準備が‥‥ッ!!