乱華~羽をくれた君~【完】
「ここ、一応俺んちだから」
「・・一人暮らしなんですか?」
「ん」
そう頷くと、陸さんは単車を押してアパートの裏の方へと行った。
急に不安が襲ってきた。
付き合ってまだほんの数時間。
一人暮らしの男の人の家。
いくら相手が陸さんでも・・・・・
鼓動が早くなるのと同時に足が震えてきた。
でも・・・あたしにはもうどこにも行くところがない。
あたしは陸さんの後を追いかけた。
---103号室。
ドアは古びていたが、中に入ると部屋はリフォームしてあり、古そうな感じはしない。
陸さんは玄関に置いてある空き箱の中に、無造作に単車の鍵を放り込み、電気をつけた。