乱華~羽をくれた君~【完】
「俺下で寝るから。あんたロフト使っていいよ」
「え、でも・・・」
「いーから。早くしろよ、電気消すぞ」
そう言って、電気のスイッチを消すそぶりを見せたので、あたしは申し訳なさそうにロフトに上がった。
「あの・・・今日はありがとうございました・・」
寝る前に一言陸さんに伝えたかった。
「ん。おやすみ!」
ずっと憧れだった陸さんと同じ部屋で寝るなんて・・本当に信じられない。
今日あった色んなことが、頭の中を駆け巡る。
義父にとんでもないことをしてしまったけど…もう後に引けない。
お母さん大丈夫かな…
初めて家出をして・・・
そして初めて・・・彼氏ができた。
それが陸さんだなんて未だに信じられない。
ほっぺたをつねってみたけど、痛かった。
夢じゃないんだよね?
あたしは目をつむりながら、何度も何度も陸さんの言葉や表情を思い出した。
毛布からは陸さんの香水の香りがした。