乱華~羽をくれた君~【完】


でも陸さんは動じずに答えてくれた。



「親?…死んだよ」



そう一言言い、バスルームへ行ってしまった。



亡くなったの・・・?

どうして…?いつ亡くなったんだろう…


陸さん、亮さんと同い年って聞いてたからまだ高校生のはずなのに仕事してるし。


他に親戚の人はいないのかな…





聞きたいことは山ほどあった。


でも聞いちゃいけないようなオーラを出されると、聞けなくなってしまう。




シャワーを浴びてきた陸さんの髪の毛は濡れていて、妙に色っぽかった。



「あとさぁ、“陸さん”とかって呼び方、なんかやなんだけど。さん付けとかしないでくんない?」



陸さんは首にタオルをかけ、煙草に火をつけながらあたしの方を見た。


ドキドキして目を合わせられない。




「え、でも・・・まだ陸さんってしか呼べないんですけど・・これが精一杯で・・・」




呼び捨てなんて!!

できるわけないじゃんッ・・




「んじゃ…せめて敬語はなしな?」


あたしが困った顔をすると、必ずといっていいほど陸さんは笑顔になる。

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