乱華~羽をくれた君~【完】
「ところでさぁ・・
うちの族の本部の方に、あんたを紹介しなきゃないんだわ。後からバレるとゴタゴタうるさいんだよね。さっそくだけど、今夜時間ある?」
「あ・・・」
急に不安が襲い掛かる。
彼女なんだからこういう事は当たり前なんだ。
きっとこれからも色々あるんだろうし・・
こんな事で恐がってられないんだよね。
「俺と一緒について来て、ただ頭下げてればいいから。
・・・て、恐くなっちゃった?」
「え?!」
陸さんはタオルで頭を拭くのをやめ、あたしの顔を覗く。
「恐けりゃやめてもいーんだけど??」
「や、やめない!!大丈夫ですからッ」
「ホントかよ??」
面白がっているのか、あたしの頬を両手でぶに~っとのばしてきた。
「ふぉんとぉですってば・・」
「おら、敬語やめろっつったろ」
陸さんはにっこり笑ってあたしをどついた。
昨日の時点でもう覚悟は決めていた。
もうあの家には帰れないし、帰りたくもない。
できるならこの場所にずっといたい・・
陸さんと・・
ずっと一緒に・・・