乱華~羽をくれた君~【完】



あたしたちはその夜、新宿の本部の人達が集まる場所に行った。



陸さんのチーム、“乱華”は本部と支部を合わせるとすごい数になるらしい。



本部の人達に会うのは初めてだし、異様な空気に変な汗が出る。


それもそのはず、ほとんどの人が陸さんより年上な感じでみんな恐そうな人達ばかり。



これって…ヤクザとかじゃないよね!?


みんなそんな感じの人達に見えてしまうんだけど。



その中でも一番偉そうな“風間”って人に挨拶したときが一番恐くて。



あたしのことを品定めするみたいに見てきて、早く帰りたくてしかたがなかった。


その風間って人は23歳らしいけど、体格もよくて年齢よりすごく年上に見える。


緊張しているあたしを和らげるためか、陸さんが耳元で聞こえないように、“風間さんって、ああ見えてイボ痔で悩まされてるらしい”って言われたときは吹き出しそうになった。




そんな風に周りの人たちにも冗談を言い、笑いが起きる。



陸さんのおかげでその場が和やかになった。



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