乱華~羽をくれた君~【完】
「はいはーい・・」
めっちゃ低いテンションで電話に出てしまった。
それとは真逆な栞のテンション。
『え、奈緒!?なにその声!!なんかあったの!?』
「・・ううん、ちょっと寝ちゃってて・・それよりどうしたの?」
栞は感がいいから嘘つくのが大変。電話で良かったかも。
『ならいーんだけど‥あのさ!この前あたしの彼氏の話したじゃん、族のさぁ!
今日その集まりがあるんだけど、奈緒も来ないかなって思って!!』
栞は中学3年の終わりくらいに、2つ年上の彼氏ができたと言っていた。
その人が暴走族に入っていて、かっこいいということは栞から何度も聞かされている。
「いや、でもあたし場違いじゃない?」
『ぜーんぜん!!そんなことないから!色々話もしたいからぁ、来なよ!!』
暴走族なんてTVでしか見たことないし、未知の世界。
今までだったら怖くて断ってきたけど…
なぜかこの日は行く気になった。