乱華~羽をくれた君~【完】
「今夜、城ヶ浜海岸あたり流しに行くんだけどあんたも行くの?」
「うん、行く予定だったよ。栞に誘われたから」
「・・また変な奴についてくなよ」
「えー?」
「・・・あーいいや。飯まだ?」
「もうできますっ」
野菜炒めと味噌汁とご飯をテーブルに並べた。
「へぇ~うまそうじゃん」
そう言って、陸さんは野菜炒めを口に入れると、急に強張った表情になった。
「え!!なに!?味へん!?」
不安になって自分も食べてみた。
・・・・普通においしかった。
陸さんのほうを見ると…笑っている。
騙された!!
「くくくっ・・・あんたさぁ、騙されやすいんだよ」
「騙すほうが悪いもん」
あたしが拗ねたように言うと、陸さんはあたしの頭をポンポンとなでた。
「わりぃ。マジうまいよ、これ」
…てか、その笑顔は反則でしょ。
本当にこの人はあたしをドキドキさせるのがうまい。