乱華~羽をくれた君~【完】
不安
いつものたまり場で、今夜も大勢の人がお祭り騒ぎをしている。
だいたいここにいる人たちはみんな顔見知りなので、朝方まで飲んだり騒いだりするのがとても楽しくて。
ここはあたしにとって、とても居心地のいい場所になっていた。
陸さん率いる乱華の人たちはみんな流しに行っていて、どこにいるのかもわからない。
しばらくしてうちらの所に来たりもするけど、またいつの間にかどこかへ行ってしまったりする。
栞は今日、亮輔さんと二人で来ると言ってたけど、まだ二人の姿が見当たらない。
でもあたしはそんな事、全く気にも止めなかった。
きっとデートでもしていて、遅れてくるんだろうって思っていた。
最近友達になった“恵美(めぐみ)”は、あたしとタメだけど高校には行っていない。
すごく明るくていい子だけど、泥酔になると走ってる単車の後ろ座席に立とうとしたり、危ない事を平気でするような子だった。
「しかしぃ~陸さんを彼氏にするとは、たいした女だよねぇ!あんたもぉお!!」
「ううん、そんなことないよ」
恵美の片手にはビール。
結構飲んでいる様子で、足元がフラフラしている。