乱華~羽をくれた君~【完】
「う、うん・・・」
あたしが静かに頷くと、理香子がすぐ目の前まで迫ってきた。
「今すぐ別れてよ・・・」
「え?」
「聞こえねーのかよ!別れろって言ってんだよ!」
理香子の声に、周囲の人たちが一斉にあたし達を見る。
「なんであんたなんだよ・・・姉ちゃんの・・・姉ちゃんの場所なのになんで!!!」
理香子は喚き、泣きながらその場に崩れ落ちていった。
・・・ねえちゃん?
どういうこと・・?
側にいた理香子の友達があたしに言った。
「理香子のお姉さんはね、陸さんと付き合ってたの。二人は本当に仲良くて・・すごい愛し合っていたんだよ。あんたなんかよりずっとお似合いだったんだから・・・」
その表情は暗く、悲しみに満ちていた。
「え・・・・」