乱華~羽をくれた君~【完】
「陸さん!?メール見てくれた!?」
『あー今見た。…で、亮なんだけど俺らんとこにも連絡きてねーよ』
「え・・・そうなの・・?」
『・・・てかさ、俺ちょっと捜してくるわ』
「え!?どこに行くの!?」
『・・とりあえず栞には心配すんなって言ってて。あとお前ら先に帰ってろ。二人で俺んちにいていいから』
「・・・うん・・・」
『あとで金やるからタクシーで帰れよ?じゃあな』
そう言って、あたしの返事も聞かずに電話を切られた。
「陸さん・・・なんて言ってたの?」
栞が不安そうにあたしの顔を見ていたので、笑って言った。
「なんか亮輔さんがいそうなとこに行って来るみたい!!心配すんなって言ってたよ~!携帯どっかに忘れたりとかしてんじゃないー??」
「・・・うん・・」
「・・栞も陸さんちに居ていいって言ってたから一緒に帰って待ってよう?」
こんな不安そうな栞を見るのは初めてだった。
妙な胸騒ぎがする。
あたしたちはタクシーに乗り込み、その場を後にした。