乱華~羽をくれた君~【完】
陸さんのアパートに着いた頃には、もう朝方になっていた。
あたし達は眠れるわけもなく、陸さんの連絡をただひたすら待っていた。
いつも明るい栞が何もしゃべらず、じっと携帯を見ている。
こんな時、なんて言葉を掛けていいのかわからない。
栞もきっと嫌な予感がしていたんだと思う。
〜♪♪♪
しばらくしてあたしの携帯が鳴った。
この着メロは陸さんだ。
「・・・もしもし?」
『今アパートか?』
「うん・・あの・・亮輔さんは・・?」
『奈緒』
やけに冷静な陸さんの声が、余計に不安を煽った。
『あいつ、ちょっとやられててさ。殴られて、意識ねんだわ・・今から久米の総合病院にこれるか?』
あたしは全身の血の気がひいたのがわかった。
栞になんて言ったら・・