乱華~羽をくれた君~【完】
まだ早朝ということもあり、渋滞にもぶつからずスムーズに病院までたどり着くことができた。
「菅原亮輔さんって方、今どこにいますか?!さっき運ばれてきたと思うんですが・・・」
「菅原さん…朝運ばれてきた方ですね、治療が終わって・・・今303号室ですね」
病院の受付で聞き、あたし達は急いで病室へ向かった。
3階のエレベーターが開くと近くの長イスに陸さんが座っているのが見えた。
「陸さんッ・・」
「・・おう」
「亮輔さんは?!」
「今治療と検査し終わって寝てる。意識は戻ったみたいだから」
栞は陸さんに頭を下げ、すぐさま亮輔さんの病室へ入っていった。
「栞・・大丈夫かな・・亮輔さんの怪我、結構ひどいの?」
「ちょっとな。右足首骨折と肋骨にヒビ入ってるって。何ヶ月かおとなしくしてれば治るだろ」
「そっか・・」
あたしは長いため息をつき、陸さんの隣に座った。
ふいに陸さんの顔を見ると、口元に少し血がにじんでいた。
よく見ると手にも血がついている。
「・・・陸さんも怪我、してない?」
「あ?・・こんなの、なんでもねーよ」
あたしが聞くと、陸さんは隠すようにそっぽを向いた。