乱華~羽をくれた君~【完】
「・・なんでもなくないよ。何があったの・・?教えて・・」
陸さんは足を組み、頬づえをつきながら真顔であたしをしばらく見つめている。
こんな時なのに、そんな綺麗な瞳で見られると、どきどきしてしまう。
「栞んちの近くにでかい公園あってさ、もしかしてって思って行ってみたら・・・あいつ、めんどくせーのと喧嘩しててさぁ。だから俺もちょっと相手の奴ら殴っちゃったー?みたいな?」
「なにそれ・・ちょっと殴っちゃったって・・で、そいつらどうしたの?」
「まぁー・・・ もう大丈夫なんだから心配すんなって」
陸さんは笑いながら、飲み物を買いに自動販売機へ向かった。
そんな笑い事ですむような事なの・・?
あたしは話を聞いているだけでもこんなに手が震えてしまっているのに。
陸さんは買ってきた缶コーヒーをあたしの隣に置いた。
その時、あたしは陸さんの顔を真剣に見つめていたので、陸さんはそれに気づき、笑って言った。
「なーに恐い顔してんの?もう大丈夫だっつったろ?」
「・・・こういうことってよくあるの?」
「あー・・あるかもなぁ、まぁ俺なら強いから?亮みたいにやられたりしねーよ?」
「・・・そんなことわかんないし」