乱華~羽をくれた君~【完】


陸さんは、そっぽを向いて座った。



「・・・お前、何でそんなに怒ってんの?喧嘩なんてそうめずらしーもんでもねーだろ」



その後は二人とも黙ったままで、栞が病室から出てくるまで一言もしゃべらなかった。





陸さんはあたしがどれだけ心配しているかなんてわかってない。


あたしが知らないような所で色んなやばい事やっちゃうんじゃないかって思うと、本当に恐いのに。


いつも笑って話しているけど、その裏にはあたしに見せられない顔があるってことわかってた。


栞がさっき言ってた事はすごくわかる。



前だったら族の世界のことなんてわからなくていい、ただ陸さんをかっこいいと憧れているだけの女で満足だったけど・・



今は違う。



陸さんは本気になれないと言っていたけど、あたしにとってはこんなにも大事な存在になっていた。


もっともっと陸さんのことが知りたいって思う。


元カノとの事も。


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