乱華~羽をくれた君~【完】
亮輔さんの怪我は右足首と肋骨だけではなかった。
もうだいぶ良くなったけど、最初は顔もパンパンに腫れてて、前歯も二本折れ、すごく痛々しかった。
でも・・栞の笑顔が戻って本当に良かった。
栞が笑っているとあたしも嬉しい。
亮輔さんが、どさっと勢いよくベットに座り、あたしを見た。
「奈緒ちゃん、陸とはうまくいってんの?」
「え、あー・・・まあまあ・・ですかね」
苦笑いしながら亮輔さんに言った。
急にそんなこと言われるとは思わなかった。
「そっか・・。
たまーに来るよ、あいつ。
そっけない態度だけどさ、ちゃんと俺の事考えててくれるっつーか。
なんか何考えてんのかわかんねーときもあるけど、ちゃんと奈緒ちゃんのことも考えてると思うよ?」
「うん・・でも不安になるんです・・あたしがいない所でなにやってるのかわかんないし」
「それは俺もだな」
そう言って亮輔さんはちらっと栞を見た。
「あたしだって心配してるんだよ!?
今回のことだって・・・死んじゃうかと思ったんだから!!!」
栞が顔を膨らませて怒っている。
「確かにな~陸がこなかったら俺、どうなってたんだろ?
やっぱ1対6はさすがにキツイね」
「1対6!?」
栞と声が揃った。