乱華~羽をくれた君~【完】



「あの日の夕方、栞迎えに行こうとしててさ。
したら奴らに出くわしてー・・・まぁ、俺は睨んだつもりないんだけど?
そういう些細なことであっちがキレてぼっこぼこにされたわけ」


「相手6人なんて・・・かないっこないじゃん」


栞が亮輔さんを睨む。


「俺だってやられっぱじゃねーよ?反撃してたし!
でもかなわねーな。そんで、結構やられて、もうだめかもしんねってとき、あいつの単車の音聞こえてさ。
幻かと思ったもん。ああ、俺もいよいよ天国に行くのかぁ~みたいな」


「ばっかじゃないの!?あんたは地獄でしょ!!」



そう言って亮輔さんの右足を蹴った。



「いってぇ!!てめー、病人に!まだ完治してねーんだぞ!?」


「自業自得!」


二人はふざけているけど、あたしは笑えない。



「・・・それで・・陸さんもそいつらと喧嘩したんですよね・・?」



あたしの真剣な表情に、二人もふざけるのをやめた。


< 74 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop