乱華~羽をくれた君~【完】
「あの日の夕方、栞迎えに行こうとしててさ。
したら奴らに出くわしてー・・・まぁ、俺は睨んだつもりないんだけど?
そういう些細なことであっちがキレてぼっこぼこにされたわけ」
「相手6人なんて・・・かないっこないじゃん」
栞が亮輔さんを睨む。
「俺だってやられっぱじゃねーよ?反撃してたし!
でもかなわねーな。そんで、結構やられて、もうだめかもしんねってとき、あいつの単車の音聞こえてさ。
幻かと思ったもん。ああ、俺もいよいよ天国に行くのかぁ~みたいな」
「ばっかじゃないの!?あんたは地獄でしょ!!」
そう言って亮輔さんの右足を蹴った。
「いってぇ!!てめー、病人に!まだ完治してねーんだぞ!?」
「自業自得!」
二人はふざけているけど、あたしは笑えない。
「・・・それで・・陸さんもそいつらと喧嘩したんですよね・・?」
あたしの真剣な表情に、二人もふざけるのをやめた。