乱華~羽をくれた君~【完】
「あー。俺は意識朦朧としててあんま覚えてねーんだけど、あいつ一人で食って掛ってったよ。
陸はつえーの知れ渡ってるから、途中で相手の方びびっちゃって、逃げやがったけど。
一人フルボッコにしたみたいで、病院送りにしてやったらしいけどな。
なんかそいつのことは意識なくなるまでヤッたって・・」
「え、まじ!?それやばくないの!?」
栞が興奮して身を乗り出す。
「んー意識は取り戻したみてーだけどなぁ。俺もさ、たまに陸が怖くなんだわ・・・
だってあいつ喧嘩してる時、笑ってっからな、完全に目がイッてんだよ」
笑ってるって…
人を殴ることがそんなに楽しいの?
死ぬかも・・・しれないのに・・・
トントン・・
ガラッ
「菅原さーん検査の時間ですよ~」
看護師さんが勢いよく戸を開けて入ってきた。
「あ、じゃあうちらもそろそろ帰ろうか・・?」
栞がそう言い、立ち上がった。
あたしと栞は亮輔さんに別れを告げ、病院を後にした。