乱華~羽をくれた君~【完】


外へ出ると、さっきまで降っていた雨は止んでいた。


…が、あたしの心は晴れない。



亮輔さんの話が頭から離れなくて…



それに気付いたのか、栞が言った。



「喧嘩とか・・恐いよね・・嫌だよね」


「うん・・・」



「あたしも今回のでもうこりごり!!
…でもさぁ、うちらがやめてって言ったところでやめてくれるようなやつらじゃないし・・
族の男を彼氏にするってホント精神的に辛いよね・・」



「そうだね・・・」



「奈緒、さっきの亮の話気にしてるでしょ?」



「あ、うん・・」



「・・奈緒はさ、陸さんを信じてそばにいればいいんじゃない?
あの人は物事の良し悪しはわかってる人だとあたしも思ってるからさ・・・
今回の事件で陸さんがあの時、亮の所に行ってくれなかったらって思うと、ほんとに恐くなるもん・・・
だから本当に陸さんには感謝してる。 あ、もちろん奈緒にもだよ!?」



「あはは・・うん。あたしも陸さんのことは信じてついていきたいんだけどね・・」




信じてついていきたい。


だけどあたしは何も知らないんだよ。


何も言ってくれないんだもん。


聞くなってオーラは出すし…


陸さんはやっぱりあたしを受け入れてくれないのかな・・・




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