乱華~羽をくれた君~【完】
ピンポーン・・
その時、部屋のインターフォンが鳴り響いた。
キスの余韻も一瞬にしてその音によりかき消された。
「こんな時間に誰だろ・・?」
「出なくていーよ」
ピンポンピンポンピンポーン!!!
しつこい位に鳴らしている。
「ったく!誰だよ!しつけぇ!」
陸さんは面倒くさそうに立ち上がり、玄関のドアを開けた。
「おーーーーーっす。おめーもっと早く開けろよ!」
「広樹!」
そこには陸さんと同じくらい長身の男が立っていた。
黒髪で、近くの男子校の制服を着ている。
その男は遠慮もなしに靴を脱ぎ始めた。
「いやー久々だなぁこの部屋!っつーかおめーに会うのが久しぶりだもんな!
今部活帰りで…って!?」
ようやくあたしの存在に気づいたようだ。
「こ・・こんばんわ・・」
「なっ!!陸!!彼女か!?」
その男はすごい驚いた様子であたしを見ている。
陸さんは面倒くさそうな顔で答えた。
「そーそー今一緒に住んでんの。だから邪魔しないでくれる?」
玄関に引き戻そうとしていた陸さんの腕を振り切り、その男はあたしの目の前に座り込んだ。