乱華~羽をくれた君~【完】
その時、1台の原付バイクがよろめきながらコンビニの駐車場に入ってきた。
「あの原付ふらついてない?」
「あれ理香子の先輩だぁ・・」
栞が立ち上がった。
原付はあたし達の近くで止まった。
先輩の後ろにもう一人乗っている。
長い髪をなびかせながら歩いて来たのは理香子だ。
また何か言われる気がしてドキドキする。
しかし理香子はいつもの様子と少し違った。
足元がかなりふらついている。酔っ払っているのだろうか。
「しおぃい〜」
ろれつが回っていない。
理香子は、あたしの事など目に入っていないようだった。
フラフラしながら栞の肩に手をまわした。
「理香子!あんた・・」
栞は何か言いかけたが止めて、2人でコンビニの裏へ行ってしまった。
取り残されたあたしは、呆然と2人の後ろ姿を見ていた。