乱華~羽をくれた君~【完】
理香子と一緒にきた先輩があたしに話しかけてきた。
「ねぇ~・・あんたもやんないのぉ?」
「・・え?何を?」
その先輩も、ろれつが回ってないようなしゃべり方。なんだか焦点もあっていない・・
・・・!!!
もしかして!!!
あたしは急いで栞と理香子の所へ行った。
「栞!!!」
思った以上に大きい声で呼んでしまった。
栞を一刻も早く理香子から離れさせたかったから・・・
その声に栞は驚いてあたしを見た。
「なっ・・どうしたの・・?」
手にはビニール袋。
やっぱり・・
あたしはそのビニール袋を奪い取り、ゴミ箱に捨てた。
「ちょっと!!!あんたなにすんのぉ!?」
理香子はそう言って、あたしの腕を掴んだが、あたしは精一杯の力で振りほどく。
「栞!帰ろう!!」
「な・・奈緒・・」
栞の手をひっぱり、走った。
後ろを振り返ると、理香子とその先輩は、さっきあたしがゴミ箱に捨てたビニール袋を探しているようだった。