乱華~羽をくれた君~【完】
すごくショックだった・・
栞がシンナーをやっていたなんて・・
そういえば一番最初に理香子に会った日も“今日やる?”とか言ってたっけ・・
あれもこの事だったのか・・
しばらく栞の手首を掴んだまま、歩いた。
栞も気まずそうにしていて何も話さない。
あたしは振り返り、栞を見つめる。
「栞。いつからやってたの・・?」
「結構前・・理香子の先輩からやってみろって言われて・・」
「あたし・・すっごいショックだった」
「ごめん奈緒・・」
栞は俯いていて、あたしの顔を見ようとしない。
「亮輔さんはこの事知ってるの?」
「知らない・・亮は今やってないみたいだし・・
いつも知らないとこでやってた・・でもたまにだったからいいかなって・・」
「たまにでも・・だめだよ!!!
栞、亮輔さんに命大事にしてほしいってこの前言ってたよね?
それと同じように亮輔さんだって栞の命が大事なんだよ!
こんな事してたら脳みそ腐っちゃうんだから!!」
「奈緒・・」
栞はやっとあたしの目を見てくれた。
「・・・もう絶対にやめてほしい・・
あたしだって栞が本当に大事だから・・・」
「奈緒・・ごめん・・ごめんね」
栞は泣いていた。