乱華~羽をくれた君~【完】
翌日、あたしは陸さんに遊びに行くと言って、一人で街に出かけた。
内緒でプレゼントを買うために。
歩くたびに、陸さんからもらったネックレスが胸元で揺れる。
ネックレスを見るたびにニヤついてしまう。あの日のキスの事を思い出してしまうから・・
お金は自分の通帳から少しずつ下ろして使っている。
一緒に住み始めた頃、陸さんに小遣いをやると言われたけどそれだけはどうしても嫌だった。
生活費を陸さんに出してもらっているのにその他にお小遣いもなんて、もらえるわけがない。
日曜日のせいか、街は人が多く、腕を組んで歩いているカップルや、楽しそうな家族連れが沢山いた。
銀行でお金を下ろし、アクセサリーショップへ向かった。
店内には色々なアクセサリーが並んでいる。
高価な物は買えないけど、陸さんに似合うのが見つかればいいな・・
シルバーアクセサリーの前で足が止まった。
ガラスケースの中のアクセサリーを覗いていると、後ろから声を掛けられた。