乱華~羽をくれた君~【完】
10分ほど歩いて、大きな倉庫がいくつか並んでいる所に着いた。
「あの裏でぇ、いつも集まってんだよっ」
栞が指差した方面から、聞いたことがないくらい沢山のバイクの音が聞こえる。
急に鼓動が早くなってきた。
どうしよう、帰るなら今だよね…
好奇心はあるけど、恐怖心の方が大きくなっていく。
多分強張っていたのかな、そんなあたしの表情を見た栞は、笑いながらあたしの肩に腕をまわしてきた。
「だぁいじょうぶだってー!みんな良い奴ばっかだからさ!?気楽にいこーよ!」
「・・・うん・・」
引きつった笑顔を返してしまったと思う。
だんだん近づくにつれ、バイクの音が大きくなっていく。
恐怖が絶頂に達していた。