乱華~羽をくれた君~【完】
「うーん…陸はこういう感じかなぁ・・」
広樹さんが指を差したアクセサリーに目をやると、それの隣の物の方が気になった。
「あ、これいいかも・・」
側にいた店員さんに頼んで、そのアクセサリーを出してもらった。
羽のデザイン。シンプルだけど、男の子らしくてかっこいい。値段もそんなに高くない。
「これにします!」
「ありがとうございます、ではあちらでお会計お願いします。」
店員さんはにっこりと微笑み、レジに向かった。
「え、そんな簡単に決めていいの?あっちにももっとあるよ?」
横で広樹さんが心配そうに言う。
「これがいいんです」
一目見ただけで気に入ってしまった。
羽のデザインは、陸さんに絶対似合う。
初めて会った時、黒い特攻服が風になびいていて、それが羽に見えて今にも飛べそうだったから。
それにあたしにとって陸さんは、天使のような存在だし。
陸さんも気に入ってくれたらいいな・・
茶色の包装紙でオシャレにラッピングもしてもらった。