乱華~羽をくれた君~【完】
「ねぇ?この後暇じゃない?」
「え?」
「一緒に選んであげたんだしさ、お茶ぐらい付き合ってよ?」
一緒に選んであげたって・・・
でも色々探してくれてたしな・・
それに…広樹さんに聞きたいこともある。
「いいですよ」
「まじ〜やったねー♪」
あたし達はアクセサリーショップのちょうど真向かいにある、カフェに入ることにした。
店内はコーヒーのいい香りが漂っている。
あたしはカフェオレ、広樹さんはオレンジジュースを頼み、席に着いた。
「・・広樹さん、オレンジジュースって可愛い」
「俺コーヒー飲めないの!だって苦いじゃん!?」
「あはは、子供みたいですね」
あたしが笑っていると、広樹さんがじっと見てきた。
「奈緒ちゃんって笑うとますます可愛いなー」
「なッ・・なに言ってるんですかっ」
飲んでいるカフェオレを吹き出しそうになった。
陸さんなんて、全然可愛いとか言ってくれない。
まぁ…自分可愛くないけどさ。
「陸じゃなくて俺にしとけよー」
「もー!冗談やめてくださいっ」
広樹さんは笑いながら、グラスに入っていたジュースを一気に飲み干した。
陸さんの事、色々聞きたい・・
でもショックな事言われたらどうしよう・・
あたしは覚悟を決めて、広樹さんに聞いてみることにした。
「あの・・」