乱華~羽をくれた君~【完】


「広樹さん!?」


驚いて拒もうとしたが力を入れてもびくともしない。

広樹さんの心臓の音が響いてくる。

すごく早くて、あたしもつられて鼓動が早くなった。



「・・ごめん、もうちょっとだけこうさせて?」



耳元で広樹さんの声が聞こえて、くすぐったかった。

力強く抱きしめられているので、体が熱くなってくる。



「・・あの・・・」



「こんな時にこんな事言うのもなんだけど・・
初めて会った時から奈緒ちゃんの事気になっててさ・・
あいつ、百合と別れてから何人かと付き合ってたけどみんなその場限りみたいな軽い女で・・・
今回もそういう女なんだろーって思ってたんだけど全然違った。
こんなに良い子なのに・・・あいつなにやってんだよ」


「え・・・・」


「ごめん我慢できなくて。
でもこんなに辛い思いさせてんなら・・・
オレも言いたくなる・・・」



広樹さん・・・???



何言ってるの・・・?



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