スローペース
「俺ね、あの時さぁ
思ったんだょねー」
空の話がつかめないまま首を傾げる。
空はにこっと微笑み話を続ける。
「この世界にこんなに可愛い子がいたのかって!」
あまりに突然で
そしてばかばかしい台詞が全身を駆け巡り
気付くと私はお腹を抱えて笑っていた。
「何で笑うんだよー!!」
空は思っていた反応と違かったらしく、
ちょっとムッとした表情をむけてきた。
「ーっ!!!
だって、だってぇ~
何が言いたいんだかっ...わかんない!!」
腹筋が悲鳴をあげる程笑ったせいで
息が荒々しくなり
涙目になっていた。
「だーかーら!」
空はじれったそうに髪をかきあげながら
じれったそうに、こっちを見た。
チョコレート色の髪が風に揺れる。