未来観測
更に困ったさんな顔になった先生は
さっきより少しだけ顔を強張らせこう言った


「え?
…ていうか。
寂しいとか寂しくないとかそういう問題じゃないでしょー」


あぁ。
やっぱりか。


「…ですよねー。
やっぱ寂しいのは俺だけか。」


独り言のように
静かな教室に投げ出された言葉。

妙に響いたその声に
先生の眉がピクッと反応した



俺だって正直戸惑っていた

この言いようのない気持ちに。


初めはただの興味本位で
まさか今みたいに、こうやって先生と繋がりを持つだなんて思いもしなかったし
こんな風に自分が毎日先生でいっぱいになるなんて思ってもいなかったから。




「さ。模試も近いんだし、質問は?
ないの?」


異様な空気の中
むしろ異質な先生の明るい声が大きく響く


「…先生?」


「ん?」



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