未来観測
「あぁ…。
ごめんね。
だって学校で赤谷君に会っちゃうと、多分あたし態度に出ちゃうから…」


「態度?
どんな風に?」


「どんな風にって…」


あたしたちの関係は相変わらずだ。
こんな風に彼があたしのことをからかって
あたしはそんな彼のペースに飲み込まれてしまう



「そういえば先生。」


「んー?」


「今日リエにあのこと言ったから。」


「あのこと?」


「その…別れようって。」


楽しい雰囲気が一気にガラッと変わり、心に重いものが乗っかる
目の前が灰色にくすんだみたいに。


「…そっか。
ごめんね」


「何で先生が謝んの?
これは俺がいけないんだから。」



そうおどけて言う彼だけど
あたしはちゃんと知っていた。
どれだけ彼が浅岡さんのことを大切にしていたかも。
どれだけ彼が悩んだのかも。

だってあたしが彼のことを好きになんてならなければ
こんなことは起こらなかったし
彼女が傷つくこともなかった



「せんせー。
また変なこと考えてるでしょ?」








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