未来観測
あぁ…この顔だ。
あたしが大好きなこの笑顔。

そっと彼に手を伸ばしてしまいたくなる自分を
心の中で制止した



「寛人、時間平気?」


ふと時計を見ると9時を回った辺り。


「うん。今日親いないし。」


「え?」


「二人で旅行だって~。
俺も昨日聞いたばっかでびっくりだよ。

あ…。
だからって別に、今日を狙って先生の家来たとかじゃないからね」


慌てて弁解する彼の姿に
思わず笑ってしまう


「分かってるよ。」


分かってる。
分かってるけど、変に期待する自分もどこかにいる


すると彼は困った顔をしてあたしの方をじっと見た


「あ~。
もうダメだ。
俺もうダメ」



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