未来観測
ゴトンとお皿を落とした衝撃で
台所のステンレスが音を立てた

そんなあたしの反応を見て彼はニコッとほほ笑み
さっきよりも一層あたしとの距離を縮める


「やっぱり。
先生、すぐ引っかかっちゃうんだから」


そんな甘い言葉を残して。
彼はあたしに最上級のキスをプレゼントした


「…んっ」


冷たい身体を温めるような官能的なキス。
身体中がドクンドクンと反応しだす

寛人があたし自身をキスで溶かしながら
そっと耳元で呟いた


「先生、好きだ」


あたしも…

そう答えたかったけど彼はそれを許してくれなかった


もっともっと深くなるキス。
舌と舌が触れ合い

頭の中がかき回されていく感覚。


ダメ…

もうダメだって。



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