未来観測
それから30分ほど話し込んだ後
彼女は笑顔で教員室を後にした

その瞬間ほっと胸をなでおろす


よかった。
まだ大丈夫。
まだ平気。






いつからだろう。

あたしを見る生徒の目。
あたしに対し笑いかける生徒の反応。

その全てが
何もかもが

「彼とのことを言われてるんだ」なんて思い始めたのは。


きっかけは簡単なことだった



あの日。
あたしが生徒とぶつかって怪我をしたあの日。

その次の日に、例の広瀬君があたしの元に謝りに来た


「えりちゃん、本当ごめんね。
まだ痛む?」


「そんなに謝んなくたって平気だって。
でも、もう廊下は走んないでよ」


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