未来観測
電話を切った後
どうしてあんなことを言ってしまったのか、と後悔の念が押し寄せた

本当は明日家に友達なんて来ない

なのに、あたしは彼に嘘をついてしまった


“明日先生の家行っていい?”

そう聞かれた時に、今までように“うん”と素直に言えなかったのは
他でもない、あたしに問題があるからだ

二人っきりになると押し寄せる不安。


彼が家に来る時はカーテンを閉め、玄関のチェーンまでしっかりとかけ
家の中から外の世界を遮断した

ただただ怖かった

なぜこうなったのか、確かに生徒からの言葉も大きな理由の一つだったと思う


だけどあたしは自分でも感じるくらい“異常”だった



生徒から近所の人の目。

教師だからとか

年上だからとかじゃない。


他人にあたしという人間性が否定されることが怖くて仕方なかった

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