未来観測

「高岡せんせ～い！
こっちですよ」


試合日和の晴天。

あれから一週間が過ぎ、今あたしはこうして試合会場にいる


「おはようございます、林先生。
良かったですね、今日晴れて」


「本当ですよ～。
予報で雨って出た時はどうしようかと…もしかして高岡先生晴れ女ですか？」


「はい。もしかしてあたしのおかげかな～、なんて」


そんな冗談に、林先生が豪快に笑う

するとその声に反応するように
前を歩く生徒たちがあたしたちを見ながらニヤニヤと振り向き始めた


「何？
どうかした？」


不思議に思ったあたしは
前を歩く部員の一人にそう尋ねた


「いや、何か先生たちお似合いだな～と思って」


「え？」


その声に示し合わせたようにみんなが笑い始める


「噂になってますよ～、先生たち二人」


「なっ…
そんな訳ないだろ！
お前らそんな冗談言ってる暇あったらなー、試合に集中しろ！試合に！」


終いには口笛を吹いて冷やかす生徒たち。
そんな状況の中、林先生が必死になって弁解してる姿に、何だかあたしまで笑ってしまった