未来観測
後半終了のベルが耳全体を覆う。

「えりちゃん!やったね!」


横で喜ぶ浅岡さんたちを見て
あたしも心底喜んだ

よかった。
バレてない。

ようやく終わった、と。



部員たちがベンチに返ってくると同時に
浅岡さんが寛人にタオルを渡す様子が横目にうつった


「おぉ。サンキュ」

そんな言葉が耳を揺らす


「ううん。
寛人、今日調子よかったね」


「そうかな?」


「うん!
あの二点目なんて、寛人のアシストが良かったから入ったんだよ」



楽しそうに会話を続ける二人の話し声が
嫌でも耳に入る

…やめて。

そんな風に笑わないで。
触れないで。

あたしの前でその子と喋らないでよ…。





「高岡先生?
どうかしました?」



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